とかくこの世はままならぬ、されど心は花鳥風月 

『惑星』の話


昨年のクリスマスの頃でしたか、夕方の空に、太陽系の地球以外の全7惑星+お月様が、並んで一度に見られるという天体ショー、『惑星パレード』がニュースになっていましたね。実際にご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。実は昨年の6月にも、明け方の空で全惑星が見られる機会があったのですが、これは非常に珍しいことだそうで、次に私たちが軽装備でこの天体ショーを見られるチャンスは、2061年まで巡って来ないのだそうです。

・・・こういう話をする時に、いつも引っかかるのは、これですね。

「~水・金・地・火・木・土・天・海・冥~♪」と歌いながら覚えたのは小学生の時。でも最近の「太陽系惑星」の括りには冥王星が出てきません。「冥王星は一体どこへ行ったの??」

松本零士原作のアニメ『銀河鉄道999』にも、「冥王星」のエピソードがありましたね。不老不死の機械の体を手に入れた人々が、元の生身の体を氷漬けにして残していく星が冥王星。太陽から一番遠い、冷たく凍てついた氷の惑星として描かれていました。

逆に、ホルスト(イギリスの作曲家1874~1934年没)の有名な組曲『THE PLANETS』(惑星)に、「プルート(冥王星)」が入っていないのは、作曲当時(1914~1916年)にはまだ、発見されていなかったからであります(ちなみに、「地球」が無いのは、天文学ではなくて、占星術の観点から書かれた作品であるためだそうです)。冥王星が発見された後、ホルストは組曲に第8曲として追加しようとしたらしいのですが、完成する前に病没してしまいます。その遺志を継いだ他の作曲家によって補完された「プルート(冥王星)」は、『THE PLANETS(惑星)~冥王星付き』として発表されました。

ところで日本人はこの組曲の中の第4楽章『ジュピター(木星)』のサビのメロディーだけが特に大好きですが、これは歌手の平原綾香氏のお陰でありましょうか。でも実は、ホルスト自身もこのメロディーを歌曲として編曲していて、イギリスでは、式典などの際によく歌われ、親しまれているのだそうです。

その冥王星、アメリカの天文学者クライド・ウィリアム・トンボーによって最初に発見されたのは1930年のこと。太陽系の第9惑星として登録されました。当時は天体観測の技術もまだまだ未熟であったため、地球と同等の質量を持つ天体であると見なされていたのですが、近年になって、実際は「月」より小さいと判って、評価が下方修正されました。

そして2006年、国際天文学連合総会で「惑星」の定義が明確に示された時、新しい基準を満たさなかった冥王星は外されて、準惑星に格下げとなってしまいました。それで、太陽系惑星は9個から8個に減ってしまったというわけです。

さて、つい先日ですが、太陽系惑星に関する新たなニュースが聞こえて参りました。

第6惑星の土星(サターン)に、新たな衛星が一気に62個も見つかったそうで、これにより土星は、太陽系で一番多い衛星(145個)を持っている惑星に返り咲いたとのこと。・・・「返り咲いた」と言うのは、木星を周回する衛星もまた、続々と見つかっており、両者は常に、抜きつ抜かれつのライバル(?)だからです。その木星の衛星は、現在95個。木星と土星は、どちらも巨大なガス惑星で、中身のほとんどがガスで、大地が無いだけに密度は小さいものの、その巨大さ(木星は地球と比べて11倍の直径、300倍以上の質量)に由来する、とんでもなく強い重力を持っているそうな。

そのため、木星と土星には、他の惑星には見られない程のたくさんの衛星が周っていると考えられます。

地球を周る衛星は、お月様1個だけですし、火星は2個、水星と金星には衛星はありません。その違いは歴然としていますね。そして重要な話がもう一つ。木星と土星の、その強い強い重力が、太陽系に飛び込んで来る彗星を引き付けて、内側にある地球へ彗星が衝突するのを防いでいると考えられるのです。盾となる木星と土星が無かったら、地球上で、生命は生存出来なかったかもしれない、ということなのです。

2023年5月発表


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